ランドインパクトと土地の許容数

土地を持ったときに、いろんな建物や家具、木などの装飾品を自由にたくさん置きたいと思ったことがあるかもしれません。でも、実際に置けるものは土地の広さや場所によって変わってきます。置ける制限は「何個置ける」というものではなくて、ちょっとわかりにくいですよね。

実は、これは「ランドインパクト」という概念によって決まっているんです。ランドインパクトは、オブジェクト自体の要素と土地にどれだけ置けるかの2つの要素が絡んでいます。そこで、ランドインパクトとは何か、なぜ必要なのかをわかりやすく説明します。

ランドインパクト(Land impact; 土地の負荷)とは、オブジェクトのダウンロードに必要な帯域幅、および、オブジェクトがSIMに与える負荷を、計算して数値として表したものです。

この数値が必要な理由は、サーバーや通信のリソースが有限であるためです。 リージョン(Region)内に所有する土地の面積に比例して、ランドインパクトの許容数(capacity)が配分され、土地情報に表示されます1)。この許容数の範囲内で、土地にオブジェクトを置いておくことができます。

アバター自身の負荷、アバターに装着するアイテムはランドインパクトの対象外です(複雑度(Complexity)という別の数値として表示されます)。

ランドインパクトの単位はありませんので、しばしば数値の前か後に「Li」をつけて表されます。また、慣用的な単位として「プリム」で呼ばれることがあります。これは、自作のメッシュオブジェクトが解禁されていない、プリムしか存在しなかった時代に、プリムの数そのものでオブジェクトの許容数を設定していたことに由来します。

ランドインパクトは、以下の3つの要素で構成されています。

  • ダウンロード(Download weight)
  • 物理効果(Physics weight)
  • サーバー(Server weight)

これはそれぞれの負荷を数値として算出し、3つの数値のうち最も大きなものがランドインパクトの数値となります。

リージョン全体のランドインパクトの許容数は、リージョンの種類ごとに違っています。通常、メインランドのリージョンでは22500、プライベートリージョンでは20000(フルリージョン(Full Regions)の場合)です。 区画ごとの許容数は、所有している土地の面積に応じて決まります。例として、メインランドに、プレミアムアカウントの無料分と同じ1024㎡の区画を所持していた場合、その許容数は、(1024㎡ ÷ 65536㎡)× 22500 = 351(小数点以下切り捨て)です。

同じリージョンに複数の区画を所有している場合は、それぞれの区画に割り当てられた許容数と、置かれているオブジェクトのランドインパクトが合算されます。合算された許容数以内であれば、ひとつの区画内に、その区画に割り当てられた許容数を超えてオブジェクトを配置することもできます。

Bay City や Horizons に代表される、通常のリージョンの区画と比較するとランドインパクトの許容数が2倍に設定されているリージョンは、ダブルプリムと呼ばれています。例として、1024㎡の区画では(1024㎡ ÷ 65536㎡)× 22500 × 2 = 703(小数点以下切り捨て)です。

なお、リージョン全体の許容数は通常のリージョンと同じ22500です。ダブルプリムのリージョンは、広い共有区域を持ち、ここに配置されるオブジェクトを極力減らすことで、居住区画に多くのランドインパクトを提供しています。

リージョンによってはオブジェクトボーナスとして、許容数を引き上げているところもあります。ダブルプリムのリージョンと同様に、リージョン全体の許容数は通常と変わりません。

なお、プライベートリージョンの中には、購入費と維持費を抑える代わりに、アバター数の制限など、負荷の許容量を減らしたホームステッド(Homestead)のリージョンがあります。この場合のリージョン全体のランドインパクトの許容数は5000です。

ランドインパクトは整数の値で表されるため、当然、最小の値は1です。しかし、販売されているアイテムの中には、商品紹介画像(AD)などで、ランドインパクトを0.5と表記しているものがあります。これは、そのまま置いた場合のランドインパクトは1ですが、編集で2個をリンクした場合にも、ランドインパクトが1になるという意味です。


1)
Firestormの場合。公式ビューワではこの部分の日本語訳が古いままであるため、「最大プリム数」として表示されます。